料紙は、金泥下絵鳥の子紙、大きさ縦34.2センチ、横25センチの大型本、表紙は、褪色しているが、もとはもえぎ色地に網の目模様の鮮やかなものであったろうと想像される。見返しは金切箔散らし。本書には、書写年代・節付者の署名を記さないが、喜多流三代目七太夫宗能の節付本と判断され、節の三角形の様式や、高砂の老人が箒をもっている構図などは、同流の特徴である。能楽者宗能(?〜1731)は、寛文5年(1665)家督を相続、貞享3年(1686)故あって改易逼塞し、翌年赦され、5代将軍徳川綱吉(1646〜1709)に召されて武士として仕え、後に昇進して中条を名乗り丹波守祐山と称した。本文は幕府右筆の書写とみられ、挿図は、近従の絵師が描いたものであろう。文字の流麗さと、挿図の華麗さは、相俟って気品があり、堂々とした大型の造本と共に、尋常のものではない趣きがある。 彩色挿絵6図あり 喜多流三代目七太夫宗能の節付本か 000009441109 2021-12-09 書名は見返しに貼付した紙片による 謡曲三番 高砂 賀茂 邯鄲 2021-12-09 資料種別 : [書写資料] 謡曲三番 高砂 賀茂 邯鄲 1冊 ; 34.5×25.0cm [江戸前期] [写] false Japan 国立国会図書館 装丁 : 和装 1600