East Asia Digital Library

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Title
Creator
Publisher

阿漕平次

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Titledcterms:title
阿漕平次
Publisherdc:publisher
山本九兵衛
URI
eadl:NDL000007275129

Abstract

  • 古浄瑠璃太夫・山本土佐掾(角太夫)の語り物。山本九兵衛板。年記はないが、山本角太夫が土佐掾を名乗るのは貞享2年(1685)9月以降のことなので、本書もそれ以後の刊行と考えられる。伊勢国の阿漕浦伝説は、殺生禁断の浦に忍んで網を入れた漁師が、その所業を見咎められて浦に沈められた後、霊となって漁に出ていたというもの。謡曲「阿漕」で戯曲化されて以降、芸能・文学の世界において、阿漕浦伝説は様々な変容をみた。本作は、浄瑠璃の中でもいちはやくこの伝説を取り入れたものである。本作では、丹波天田郡領主山吹家の御家騒動が物語の軸となっている。主君の妹・近姫と伊勢国阿濃郡に逃れた村上勘解由は、阿漕平次と名を改め、生活のために殺生禁断の海で漁をしている。捕えられ、ふしづけの刑に処されるが、亡霊となって妻子の敵討ちを助けたのち、近姫の傅(めのと)だった西蓮法師の導きで成仏する。『古浄瑠璃正本集 角太夫編』第2巻(角川書店)に、掲出本を底本とした翻刻あり。本作には他に10行本、9行本などが残存しているが、これらの複雑な関係と、山本角太夫の正本刊行のあり方については、時松孝文「角太夫正本の刊行と京都草子屋の動向―『阿漕平次』の諸版―」(『近世文芸』第61号、1995年1月)に詳しい。(田草川みずき)(2021.2)

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