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うはらの淵 2巻

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Titledcterms:title
うはらの淵 2巻
Publisherdc:publisher
[西宮新六]
URI
eadl:NDL000007277251

Abstract

  • 黒本2冊(合1冊)、破損した上冊題簽「□□國兎原淵(がふち) 上」あり冊次の下の商標により西宮版。同じく破損ある上冊題簽が『青本絵外題集』1(貴重本刊行会、1974.7)80頁にあり「新板/攝津國兎原淵(せつつのくにうばらがふち)」。画作者名無記、柱題「うはらのふち」。刊年未詳。(内容)『前太平記』巻第14、17などに拠る多田の庄の由来と渡辺綱の物語。兎原淵のことは巻第14の「九頭明神事」にみえる。(上)源満仲は住吉に参籠して弓矢を授かる。この矢の立った所を居所とすれば武名海内に振るい武家の統領となるべしとの告げを頂く。摂津国兎原郡の淵に住む大蛇に満仲の放った矢が立つ。兎原の淵の水がこの時十方に分かれて多くの田畑を潤し多田の庄と名づける。在所の土民は矢の落ちた所を尋ねる。三田の仕の一子源次充(みてる)武蔵国三田に住み、盗賊藤原すみ熊に入り込まれ21歳で最期。充の妹やへぎぬは健気にもとも若を抱いて摂津国渡辺に逃げる。とも若は叔母の養育で、金太郎のように熊を投げ猪を踏まえ、大力聡明に成長する。(下)満仲の嫡男頼光はとも若を家臣とし渡辺源次綱と名告らす。頼光は中納言これなか卿の御息女しなてる姫を見染める。綱、お供する。頼光は綱を文遣いとするのに、物騒な京の夜陰のために相伝の霊剣髭切丸を帯させる。綱は一人で一条大宮へ急ぐ。一条堀川の戻橋で高貴の女に頼まれ馬に乗せ、堀川の東の詰を南に行くと忽ち鬼神となり綱を虚空に掴み上げる。綱は髭切丸で鬼の腕を切り、北野天満宮の回廊に落ちる。腕を石の唐櫃に入れて7日の物忌みをする6日の日に叔母が訪ねてくる。化物は破風を破って逃げ、これより渡辺党の者は破風を作らなくなった。藤原すみ熊は綱をも滅ぼして安心しようと様子を窺う。綱はすみ熊の首を取り、図らずも親の仇を討って喜ぶ。真の叔母が津の国からやって来て、この様子を見て喜ぶ。(木村八重子)(2016.2)(紹介)木村八重子「未紹介黒本青本」52(「日本古書通信」1023号、2014.10)

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