大峯桜
- 黒本3冊(合1冊)、題簽欠、『青本絵外題集』1(貴重本刊行会、1974.7)75頁に上中冊分題簽「新版/加見/寸可多/忠臣大峰櫻 上」「新板/加美/すがた/忠臣大峰櫻 中」あり。版元も内容も一致するのでこれが本来の題名。丈阿作、丸小版、柱題「大ミね桜」「大峯さくら」「おほミねさくら」。(内容)(上)播州印南の長者花岡家は代々役行者(えんのぎょうじゃ)を信仰し、大峰禅定して家督を継ぐ。花岡左衛門も三七日(さんしちにち)を勤めて帰り、貧しい人々を招き施行する。座頭丸市が訴え出、五音を占うに今日殿のお命が危いと言う。花岡が用心して外出すると松の木陰から矢が飛び、浪人あだち半内左衛門を取押さえる。半内は依頼人の名は言わぬと懐中の書状を破り捨て切腹、平馬が奪い取る。山伏願力坊は花岡の人形に御幣を結い付け屋敷の前で一味の者と呪文を唱える。要之介は心得ぬ有様と人形を奪い、山伏を追い散らし、願力坊を縛って館へ引く。花岡の家臣なるせ五郎左衛門は讃岐の金比羅への代参から帰り、御札を差し上げるが、花岡の館が異様で、女房狭衣の言に任せ一腰を与えて離縁する。狭衣はその刀を抜き、新参の腰元おゆりと「お家の仇」「兄半内の仇」と斬りつける。後室普松院と平馬は、なるせ五郎が花岡の命を狙ったと言い立て、家老職に免じて切腹という。なるせは「殿の御前で切腹する、世話焼くな」と怒る。(中)丸市は、なるせを、五音から悪人の張本と言い、後室は即刻切腹を命じよと言う。丸市を偽座頭と知ったなるせは膝下に敷いて、眼を明けぬと切ると威し、眼を開かせる。後室は口惜しがり、一家中はみな味方、左衛門らを残らず討てと言う。なるせを切ろうとした花岡は驚き、汝の忠を無にする所であったと詫びる。要之介は大山禅定の長持から、奪った人形と生捕った願力坊を引き出し白状させる。敵は館を囲み、花岡夫婦と春姫を捜す。花岡夫婦は要之介と落ち、春姫はなるせが在所に匿う。後室の実子熊丸に家を継がせ、平馬は後見となり春姫に心を掛けて茂藤太と武六に探索を命ずる。油屋甚五郎は星見友宅方に来て明日婚礼したいと頼む。友宅は甚五郎方へ来て、日暮れにおよのを連れてくることなどを家来に命じて帰す。甚五郎妹お春は兄の言で掃除をし、何も言わず商に出たと言う。友宅は立腹する。(下)そこへ庄屋太次兵衛が捕手の大将平馬の家来武六を案内し、お尋ねの女は甚五郎の妹お春だそうだと捕手大勢で甚五郎の家に入り込み、春姫を奪おうとした所を甚五郎が飛んで出て天秤棒で叩き散らす。熊丸が花岡家を横領し供人多数と大峰禅定する所へ、大峰権現の勅を受け後鬼前鬼に扮したなるせ五郎左衛門と八橋要之介が面を取って現れ、仇を山下へ追い、熊丸と茂藤太を討つ。逃げのびた平馬は不動明王に扮した甚五郎が駆けつけ掴んで蹴倒し、縛って連れ帰りあだち半内に手向けることとする。(木村八重子)(紹介)木村八重子「未紹介黒本青本」20(「日本古書通信」第992号、2012.3)
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- 大峯桜
- Creatordc:creator
- 丈阿 戯作
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- 丸小
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- 忠臣大峰桜, 大ミね桜, おほミねさくら, 大峯さくら
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- [江戸中期]
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- 国立国会図書館
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- Japan
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- 3冊 (合1冊) ; 18cm
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http://dx.doi.org/10.11501/8929341
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- 装丁 : 和装, 書名は外表紙(候補)書題簽による, 内表紙(上冊)の書外題: 大峯さくら, 版心書名:大ミね桜, 大峯さくら, おほミねさくら
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- 大峯桜